ヤマトオサガニ(カニのなかま)
はさみあしと甲らのはばに特ちょうがあります。
ヤマトオサガニのオス |
ヤマトオサガニのメス |
オスは、メスよりはさみあしがとても大型になります。先のほうが下向きにへの字に曲がっているのが特ちょうです。
オスは、背伸びをするようなかっこうで、この大きなはさみあしを上下に動かして、
まるで「おいでおいで…」をしているような動作をします。
これは、
① 求愛行動(結こん相手を大きなはさみあしを使って呼ぶ。)であったり、
② なわばり宣言であったり だと考えられています。
からだの大きさは、甲らのはばが3㎝くらいで、長方形に近い形をしています。
はさみあしはつるんとしています。オサガニという似たカニがいますが、オサガニははさみあしにぶつぶつの突起があるので、区別できます。また、ヒメヤマトオサガニというカニもいますが、こちらは脚に毛がはえていますが、ヤマトオサガニの脚には毛がありませんので、区別できます。
河口や干潟の泥の底に巣穴をほって生活をしています。潮が引きはじめると、巣穴を出て、えさを食べます。
泥の中の有機物をこしとって食べます。あとの泥は、はきだします。
警戒心が強く、すぐに泥にもぐります。
えさをとるときも、巣穴から遠くはなれることはありません。たがいの縄張りに入ると、けんかをします。
けんかをしているオス |
えさをたべるオス |
細長く伸びた目は、とてもよく、20メートルはなれていても人影や鳥など動くものがあると、さっと動いて巣穴へかくれます。
ヤマトオサガニは、オサガニのなかまですが、学名を、Macrophthalmus japonicus(de Haan 1835)といいます。このjaponicusからヤマトという和名がつき、ヤマトオサガニという名になったそうです。学名をつけたハーンという学者は、オランダのライデン王立自然史博物館につとめていて、シーボルトが日本から持ち帰った標本(特に甲殻類)を研究した人です。オランダ帰りの名前ということになりますので、江戸時代まではなんとよばれていたのでしょうか?どんな名前だったのでしょう?なんだかわくわくしますね。